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5月, 2025の投稿を表示しています

お茶碗とありがとう

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夫の実家に帰省した日。 離乳食を終えた息子が、おじいちゃんの膝でにこにこ笑っていた。 「そっちがいいのか〜」と、わたしはちょっぴり拗ねた声で言ってみたけど――その笑顔に、自然とこちらも笑ってしまった。 そんなとき、台所からおばあちゃんの声がした。 「うちの子もね、昔はこうして抱っこしてたのよ」 そう言って差し出されたのは、小さな柄のお茶碗。 「あなたのぶん。ごはんは、わたしたちが用意するから」――その一言で、気づかぬうちに張っていた肩の力が、ふっと抜けた。 言葉にはしなかったけれど、あの“ありがとう”は、きっとちゃんと届いていたと思う。 

ボタン、ちゃんと止まってた

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朝の支度で時間がない中、自分のシャツのボタンをとめながら、ふと気づいた。 「あ、ちゃんと全部合ってる」 昨日はずれてて、一日じゅう気になってたのに。 誰にも褒められないことだけど、なんとなく「わたし、今日いけるかも」って思えた。 日々はドタバタだけど、自分のことも、ちょっとずつ上手になってる。 それって、ちゃんと「成長」だ。

ヘアゴムどこいった?

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出かける直前、「ヘアゴムどこ!?」と探しまわる。 リビング、キッチン、洗面所……ない。 結局、腕にしてた。 「なんで毎回こうなるの~」と笑ったら、ベビーカーの中で、息子もつられて笑ってた。 余裕はなくても、笑いはつくれる。 バタバタな朝こそ、ゆるっと笑える“きっかけ”があると、今日という一日も、なんだかちょっと許せる。

ハグのごちそう

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朝からバタバタで、ごはんも中途半端、洗濯物も干しかけ、メイクもできず。 「はあ…今日、なんにもできてない」って思ったとき、背中にふわっと小さな腕。 「ママ、だいすき!」 おにぎりも作ってないのに、わたしの心は満たされてしまった。 ハグって、すごい。 ちいさな手のぬくもりが、今日のわたしをもう一度立たせてくれた。

ひとりでできた

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「ママ、じぶんでやる!」 そう言って、靴を逆に履いた息子。 足の向きはおかしいけど、やる気だけはまっすぐ。 出発する頃には、靴もズボンもぐちゃぐちゃだけど、「自分でできた!」って笑ってた。 手を出したい気持ちを、ぐっとこらえるのって、案外、ママの成長のチャンスかもしれない。 今日の一歩は、ちいさいけれど、大きな一歩。

洗濯物と深呼吸

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「今日も、何もできなかったな…」 リビングでぼんやりしていたら、ベランダの洗濯物が風にゆれていた。 片袖だけ裏返ったままの小さなシャツ。 ちゃんと干せてなかったけど、ちゃんと洗えてた。 洗えてたら、じゅうぶん。 そう思ったら、ちょっと呼吸が深くなった。 「できなかったこと」より、「やれてたこと」に目を向けてみよう。 きっと、ちゃんとまわってる。 

やってみて、わかったこと

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「夜泣き?俺が代わろうか」って言ってみた。 抱っこして、ゆらゆらして、ミルクもあげて…。 …寝ない。 「うそでしょ」って思ってたら、急に涙がこぼれた。 あ、赤ちゃんじゃなくて、俺の。 泣き止まない我が子、眠れない夜。 ママはこれを毎日やってたのかって思ったら、もう頭が下がるしかなかった。 次の朝、クマをつくったママに「ありがとう」と言ったら、 「やっと気づいた?」って、笑ってた。 

うちのパパは「がんばりやさん」

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洗濯物を干してくれていたパパ。 でも、ベビー服の肩ボタンを全部留めたまま干してある。 「あー…乾かないやつ」 キッチンで苦戦してると思ったら、離乳食のにんじんが床に舞ってた。 「それ、まぜてからチンするんだよ」 でも、わたしが言う前に、「ごめん、失敗したー」と笑う声。 完璧じゃないけど、がんばってるのはちゃんと伝わってる。 そう思える日は、ちょっといい日。

おしゃれの代償

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今日は珍しく早起き成功。服も決まって、髪もくるんと整えて、 「これは…完璧ママでは?」と内心ドヤ顔でベビーカーの準備。 が、振り返った瞬間。 「あーーー!!」 ヨーグルトまみれの息子が仁王立ち。 わたしのシャツにも、白い飛沫。 おしゃれより着替えが先な朝。 「まあ、今日もわたしらしいってことで」 

5分だけのカフェタイム

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寝かしつけ成功。静まり返ったリビングに、わたしの足音だけが響く。 そっと淹れたインスタントコーヒーと、昨日の残りのクッキー。 それだけなのに、ちょっとしたカフェ気分。 「5分だけでも、こういう時間がないとね」 ソファに腰をおろして、ふうっと息をつく。 その瞬間、背後から「まんまー!」の声。 コーヒーひと口、クッキー半分。それでも、ないより全然いい。

靴下ミッション完了

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今日は朝から、息子の靴下を履かせるミッションに挑む。 寝返り→逃亡→大笑いの三連コンボに、わたしの集中力は試されっぱなし。 「よし、右いった!」と思った次の瞬間、左が脱げている。 でも今日は違った。タイミングと角度を見極めて、スッと装着成功。 …思わず、ひとりでガッツポーズ。 「誰も見てなくても、これは拍手もの」 そんな小さな勝利が、わたしの朝をちょっとだけ誇らしくしてくれる。

ミルクとBGMと、わたし

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朝のミルクタイム。片手に哺乳瓶、片手でスマホ。 お気に入りのプレイリストをそっと流すと、わたしの心にも少し余白ができる。 赤ちゃんの飲む音と、音楽と、わたしの静かな呼吸。 まるでトリオ演奏のようだな、なんて思いながら。 でも次の瞬間、びしゃっ!とミルクの飛沫。 …ほら、また現実に引き戻される。 それでも、「まあ、いいか」って思える朝は、わりと良い朝だ。

静寂とポテチと、ママ業

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お昼寝した息子。 シーンと静まり返る部屋に、わたしはそっとキッチンへ。 食べかけのポテチ一枚。カリッとした音が響かないように、忍者のように咀嚼する。 「…このわずかな自由、プライスレス」そう呟いた瞬間、ベビーサークルから「ん〜!わー!」と雄叫び。 わたしは、ため息まじりに立ち上がる。 ママという肩書きは、なかなかのハードワークだ。 「よし、次の自由時間は3時間後だな」 ポテチの袋を抱きしめて、再び戦場へ。