木曜日の夜。夕食を終えるころには、窓の外はもう暗くなっていた。
「暗くなるの、早くなったね」
子どもが窓を見ながら言う。
昨日、二人で見た青と橙色の空を思い出した。少し前まで、この時間はまだ明るかったのに、季節はちゃんと進んでいる。
食器を片づけようとすると、子どもが自分の皿とコップを持ってきた。
「ここでいい?」
「うん、ありがとう」
何気なく答えると、子どもが振り返った。
「お母さん、今日いっぱいありがとうって言ったね」
「そう?」
朝、水筒を渡してくれたとき。落とした洗濯ばさみを拾ってくれたとき。そして今。
数えていたわけではない。でも、言われてみると、小さな「ありがとう」が一日のあちこちにあった。
「じゃあ、ぼくも。ごはん作ってくれてありがとう」
思いがけない一言に、私は笑ってしまった。
「どういたしまして」
窓の向こうでは、秋の虫が静かに鳴いている。
特別なことは何もなかった木曜日。
でも「ありがとう」を探してみれば、今日も誰かに助けられ、誰かを支えていた。
幸せは、もらうものだけではなく、言葉にしたときにも少し大きくなるらしい。
今日最後の「ありがとう」は、子どもと笑い合えた、この夜に。
今日のこころの花
今日してもらった小さなことを一つ思い出して、「ありがとう」を言葉にして届けてみましょう。
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