夕食のあと、冷蔵庫で冷やしていたすいかを切った。
「やったー!」
子どもは赤い果肉を見て、目を輝かせる。
ひと口食べると、「あまーい!」と満面の笑み。
私も一緒に頬張る。
冷たくて、みずみずしくて、夏が口いっぱいに広がった。
すると子どもが、黒い種を指さして言う。
「これ、飛ばせるかな?」
庭に出て、小さな種飛ばし大会が始まった。
遠くまで飛んだり、すぐ足元に落ちたり。
そのたびに二人で大笑いする。
特別な遊びではない。
高価なおもちゃもない。
でも、こんな時間こそ、あとになって思い出になるのかもしれない。
大人になると、「何を残せるだろう」と考える。
けれど子どもが覚えているのは、案外こういう何気ない瞬間だったりする。
一緒に笑ったこと。
同じものを食べたこと。
くだらないことで笑い転げたこと。
夏の思い出は、いつも日常の中から生まれている。
子どもが最後のひと口を食べながら言った。
「またやろうね。」
私は笑ってうなずく。
夏の夕暮れに、すいかの甘い香りがやさしく漂っていた。
今日もまた、心に小さな花が咲いた。
今日のこころの花:
今日は季節の食べ物をゆっくり味わってみましょう。「おいしいね」を誰かと分かち合う時間が心を豊かにします。
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