2025年6月1日日曜日

おかえりの味


週末、わたしの実家へ帰った日。

息子は母の腕の中で、すやすやと寝息を立てていた。

その間に、母が作ってくれたのは、わたしが子どものころ好きだった煮物。

ひと口食べた瞬間、思わずぽろっと涙がこぼれた。

「なんか……今のわたしに、ちょうどよかった」

そう言うと、母はふふっと笑って、「育ててるんだもん、泣く日くらいあるでしょ」って。

“お母さん”と“娘”の両方をやってるわたしを、その日は、ちゃんと“娘”に戻してくれた。

母のごはんは、やっぱりおかえりの味だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿

第33話 子育て 朝時間『できたの一言』

 昨日、九月最初の風を見つけた朝。今朝も玄関を開けると、まだ夏の名残を抱えた空気が家の中へ入ってきた。 出かける準備をしていると、子どもが靴の前でしゃがみ込んだ。 いつもなら「やって」と差し出してくる靴ひもを、今日は自分で結ぼうとしている。 一度目は、ほどけた。 二度目も、うまく...