週末、わたしの実家へ帰った日。
息子は母の腕の中で、すやすやと寝息を立てていた。
その間に、母が作ってくれたのは、わたしが子どものころ好きだった煮物。
ひと口食べた瞬間、思わずぽろっと涙がこぼれた。
「なんか……今のわたしに、ちょうどよかった」
そう言うと、母はふふっと笑って、「育ててるんだもん、泣く日くらいあるでしょ」って。
“お母さん”と“娘”の両方をやってるわたしを、その日は、ちゃんと“娘”に戻してくれた。
母のごはんは、やっぱりおかえりの味だった。
夕食のあと、冷蔵庫で冷やしていたすいかを切った。 「やったー!」 子どもは赤い果肉を見て、目を輝かせる。 ひと口食べると、「あまーい!」と満面の笑み。 私も一緒に頬張る。 冷たくて、みずみずしくて、夏が口いっぱいに広がった。 すると子どもが、黒い種を指さして言う。 「これ、飛...
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