週末、わたしの実家へ帰った日。
息子は母の腕の中で、すやすやと寝息を立てていた。
その間に、母が作ってくれたのは、わたしが子どものころ好きだった煮物。
ひと口食べた瞬間、思わずぽろっと涙がこぼれた。
「なんか……今のわたしに、ちょうどよかった」
そう言うと、母はふふっと笑って、「育ててるんだもん、泣く日くらいあるでしょ」って。
“お母さん”と“娘”の両方をやってるわたしを、その日は、ちゃんと“娘”に戻してくれた。
母のごはんは、やっぱりおかえりの味だった。
木曜日の夜。夕食を終えるころには、窓の外はもう暗くなっていた。 「暗くなるの、早くなったね」 子どもが窓を見ながら言う。 昨日、二人で見た青と橙色の空を思い出した。少し前まで、この時間はまだ明るかったのに、季節はちゃんと進んでいる。 食器を片づけようとすると、子どもが自分の...
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