今日はもう、なんど「早くして!」って言っただろう。
そのたびに息子の顔がしょんぼりしていったのを、どこかで気づいてたのに止まれなかった。
夜、眠る顔をのぞきこんで、こっそりつぶやく。
「さっきはごめんね。ほんとは、いっぱい抱きしめたかったんだよ」
返事はもちろんないけれど、小さな寝息が、わたしを少し救ってくれた。
完璧なママにはなれないけれど、やさしくなりたいって思ってる。
それだけは、ちゃんと伝わってほしい。
夕食のあと、冷蔵庫で冷やしていたすいかを切った。 「やったー!」 子どもは赤い果肉を見て、目を輝かせる。 ひと口食べると、「あまーい!」と満面の笑み。 私も一緒に頬張る。 冷たくて、みずみずしくて、夏が口いっぱいに広がった。 すると子どもが、黒い種を指さして言う。 「これ、飛...
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