朝からバタバタで、着替えもごはんも「早くして!」の連発。
息子は何も言わず、黙ってついてくる。
ただ、ぺたぺたとスリッパの音だけが、わたしのあとを追ってくる。
ふと振り返ったら、小さな手に靴下とスプーン。
怒られないように、先回りしようとしてた。
その姿に、胸がきゅっとなった。
わたし、怒ってばかりだったね。
手をつなごう、と言ったら、ちょっとだけ照れたように、でも嬉しそうに笑った。
子どもはちゃんと見てる。
だからわたしも、ちゃんと見ていたい。
夕食のあと、冷蔵庫で冷やしていたすいかを切った。 「やったー!」 子どもは赤い果肉を見て、目を輝かせる。 ひと口食べると、「あまーい!」と満面の笑み。 私も一緒に頬張る。 冷たくて、みずみずしくて、夏が口いっぱいに広がった。 すると子どもが、黒い種を指さして言う。 「これ、飛...
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