出かける前に着替えを嫌がる息子に、「もう知らない!」と声を荒げてしまった朝。
玄関で、わたしも泣きそうだった。
それでも外に出ると、風がやさしかった。
公園のベンチで、二人並んでジュースを飲んだ。
息子はまだ少し不機嫌で、わたしも無言。
だけどふと、手がふれて、目が合って、なんでもない顔で笑ってくれた。
「泣き顔のままでも、また笑える」
その一瞬があれば、育児の中で怒ってしまう自分も、すこしだけ許せる気がした。
夕食のあと、冷蔵庫で冷やしていたすいかを切った。 「やったー!」 子どもは赤い果肉を見て、目を輝かせる。 ひと口食べると、「あまーい!」と満面の笑み。 私も一緒に頬張る。 冷たくて、みずみずしくて、夏が口いっぱいに広がった。 すると子どもが、黒い種を指さして言う。 「これ、飛...
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