親子時間「どんぐり拾いと秋の散歩」
公園の小道を歩いていると、子どもが「ママ、見て!」と小さな茶色のどんぐりを拾い上げた。
まだ少し残暑の名残がある午後、木陰に入ると心地よい風が吹き抜ける。
子どもの手のひらにのるどんぐりは、ころんと丸くてかわいらしい。
「帽子みたいなのがついてるよ」と笑う声に、私も思わず顔をほころばせる。
何気ない散歩の中で出会う季節のしるしは、大人にとっては見過ごしてしまう小さなこと。
けれど子どもにとっては宝物のようで、その純粋さが私の心まで温めてくれる。
ポケットにいくつかしまい込みながら、「また探そうね」とはしゃぐ姿を見て、秋がすぐそこに来ているのを感じた。
親子で見つけたどんぐりは、小さな秋の贈り物だった。
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