朝、棚の奥から見つけた、小さなイヤリング。
つける余裕なんてなかったけど、今日はなぜか手が伸びた。
鏡の前でちょっとだけ首をかしげて、「ああ、こういうの好きだったな」って思い出す。
オムツとおもちゃとエプロンに囲まれた毎日の中でも、“ママ”の奥にはちゃんと“わたし”がいた。
たったひとつのイヤリングが、それをそっと教えてくれた気がした。
金曜日の夜。夕食の片づけをしていると、子どもが小さな布巾を持ってやってきた。 「お母さん、ぼくもやる!」 昨日、買い物袋を半分こしたことが、まだ嬉しいらしい。 「じゃあ、テーブルをお願いしようかな」 子どもは張り切って拭き始めた。右へ左へ、何度も布巾を動かす。 「できた!」 見...
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