朝、棚の奥から見つけた、小さなイヤリング。
つける余裕なんてなかったけど、今日はなぜか手が伸びた。
鏡の前でちょっとだけ首をかしげて、「ああ、こういうの好きだったな」って思い出す。
オムツとおもちゃとエプロンに囲まれた毎日の中でも、“ママ”の奥にはちゃんと“わたし”がいた。
たったひとつのイヤリングが、それをそっと教えてくれた気がした。
木曜日の夜。夕食を終えるころには、窓の外はもう暗くなっていた。 「暗くなるの、早くなったね」 子どもが窓を見ながら言う。 昨日、二人で見た青と橙色の空を思い出した。少し前まで、この時間はまだ明るかったのに、季節はちゃんと進んでいる。 食器を片づけようとすると、子どもが自分の...
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