朝、棚の奥から見つけた、小さなイヤリング。
つける余裕なんてなかったけど、今日はなぜか手が伸びた。
鏡の前でちょっとだけ首をかしげて、「ああ、こういうの好きだったな」って思い出す。
オムツとおもちゃとエプロンに囲まれた毎日の中でも、“ママ”の奥にはちゃんと“わたし”がいた。
たったひとつのイヤリングが、それをそっと教えてくれた気がした。
九月最初の朝。 昨日までと同じ時間に起き、同じように朝食を作り、水筒を用意する。カレンダーを一枚めくったところで、子どもが言った。 「今日から九月だね」 「そうだね」 たったそれだけなのに、新しい月が始まったことが少し嬉しかった。 玄関を出ると、日差しにはまだ夏の強さが残って...
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