2026年8月25日火曜日

第25話 子育て 朝時間『待ってくれた朝』


 昨日、「ここから一人で歩く」と手を離した子どもの背中が、今朝も心に残っていた。

火曜日の朝。いつものように朝食を用意し、水筒を詰め、洗濯物を干す。ところが、牛乳をこぼしてしまい、予定より少し遅くなった。

「ごめん、今日はお母さんが遅くなっちゃった」

玄関で靴を履きながら言うと、先に準備を終えた子どもが答えた。

「大丈夫。待ってるよ」

その言葉に、思わず手が止まる。

 これまで「待って」と言うのは、いつも子どものほうだった。靴がうまく履けない朝も、道端の虫を見つけた帰り道も、私は何度「早くしよう」と急かしてきただろう。

なのに今日は、私が待ってもらっている。

 外へ出ると、夏の日差しはまだ強い。それでも街路樹の下には、乾いた葉が一枚落ちていた。

「昨日みたいに、一人で歩く?」

そう尋ねると、子どもは少し考えて首を振った。

「今日は一緒に行く」

そして、ごく自然に私の手を握る。

自分で歩く日もあれば、手をつなぎたい日もある。

 成長とは、ずっと前へ進み続けることではないのかもしれない。

待ったり、待ってもらったり。離れたり、またつないだり。

そんな毎日の中で、親子は一緒に大きくなっていく。

 今日握った小さな手は、昨日より少し頼もしく感じられた。

今日のこころの花🌼

 今日は誰かを急かさず、少し待ってみましょう。待つ時間の中に、相手のやさしさや成長が見つかるかもしれません。


#子育て
#子どもの成長
#親子時間 

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