昨日、「ここから一人で歩く」と手を離した子どもの背中が、今朝も心に残っていた。
火曜日の朝。いつものように朝食を用意し、水筒を詰め、洗濯物を干す。ところが、牛乳をこぼしてしまい、予定より少し遅くなった。
「ごめん、今日はお母さんが遅くなっちゃった」
玄関で靴を履きながら言うと、先に準備を終えた子どもが答えた。
「大丈夫。待ってるよ」
その言葉に、思わず手が止まる。
これまで「待って」と言うのは、いつも子どものほうだった。靴がうまく履けない朝も、道端の虫を見つけた帰り道も、私は何度「早くしよう」と急かしてきただろう。
なのに今日は、私が待ってもらっている。
外へ出ると、夏の日差しはまだ強い。それでも街路樹の下には、乾いた葉が一枚落ちていた。
「昨日みたいに、一人で歩く?」
そう尋ねると、子どもは少し考えて首を振った。
「今日は一緒に行く」
そして、ごく自然に私の手を握る。
自分で歩く日もあれば、手をつなぎたい日もある。
成長とは、ずっと前へ進み続けることではないのかもしれない。
待ったり、待ってもらったり。離れたり、またつないだり。
そんな毎日の中で、親子は一緒に大きくなっていく。
今日握った小さな手は、昨日より少し頼もしく感じられた。
今日のこころの花🌼
今日は誰かを急かさず、少し待ってみましょう。待つ時間の中に、相手のやさしさや成長が見つかるかもしれません。
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