2026年8月26日水曜日

第26話 子育て 夏の夕方『ただいまの麦茶』


 昨日は、子どもに「待ってるよ」と言ってもらった朝だった。その言葉を思い出すたび、いつも頑張る側だと思っていた自分も、ちゃんと誰かに支えられているのだと思えた。

 水曜日の夕方。外はまだむっとする暑さで、家に着くころには二人とも汗びっしょりだった。

「ただいまー」

玄関に入るなり、子どもが冷蔵庫へ向かう。

「麦茶、飲もう!」

コップを二つ出そうとすると、「ぼくがやる」と手を伸ばした。

 少し心配だったけれど、今日は任せてみる。

慎重に麦茶を注ぎ、一つを私の前に置いた。

「はい、お母さんの」

「ありがとう」

二人で「いただきます」と言って飲む。

 冷たい麦茶が喉を通るだけなのに、思わず「おいしい」と声が出た。

窓の外では、夕暮れの風に朝顔の葉が揺れている。花はほとんどなくなり、丸い種がいくつも残っていた。

 ほんの少し前まで、私が何でもしてあげていた。

けれど今は、子どもが私のために麦茶を注いでくれる。

大きな成長は、写真を並べなくても分かるものばかりではない。

「おかわりする?」

得意そうに聞く顔を見て笑った。

 今日の幸せは、冷たい麦茶一杯。

その味は、いつもより少しだけ甘く感じられた。

今日のこころの花🌼

今日は誰かの「やってみたい」を一つ任せてみましょう。小さな挑戦の中に、思いがけない成長が見つかります。


#子育て
#子どもの成長
#小さな幸せ 

0 件のコメント:

コメントを投稿

第26話 子育て 夏の夕方『ただいまの麦茶』

 昨日は、子どもに「待ってるよ」と言ってもらった朝だった。その言葉を思い出すたび、いつも頑張る側だと思っていた自分も、ちゃんと誰かに支えられているのだと思えた。  水曜日の夕方。外はまだむっとする暑さで、家に着くころには二人とも汗びっしょりだった。 「ただいまー」 玄関に入るなり...