2026年8月28日金曜日

第28話 子育て 夏の夕暮れ『虫の声』


 昨日、「秋って何がある?」と尋ねた子どもに、どんぐりや金木犀の話をした。そのせいか、今日はいつもより季節の変化が気になった。

 金曜日の夕方。迎えを終えて家へ向かうころには、まだ暑さが残っているのに、空は少し早く夕暮れ色になっていた。

いつもの公園の横を通ると、子どもが突然足を止める。

「お母さん、聞こえる?」

耳を澄ますと、セミの声に混じって、草むらから小さな虫の音が聞こえてきた。

「秋の声かな」

そう言うと、子どもも真剣な顔で耳を澄ませる。

 二人で黙っていると、風が頬をなで、木の葉がさらさらと揺れた。

ほんの数分なのに、街にはいろいろな音があることに気づく。

 家に着くと、朝顔の種が茶色く乾き始めていた。

「これ、取っていい?」

「もう少し待ってみようか」

子どもは「そっか」とうなずいた。

何でも早くしたくなる毎日だけれど、花にも種にも、その時が来るまで待つ時間がある。

 そして季節も、急に変わるわけではない。

夏の中に少しずつ秋が混ざっていく。

今日の幸せは、そんな小さな変化を、子どもと一緒に聞けたことだった。

今日のこころの花🌼

今日は一分だけ静かに耳を澄ませてみましょう。いつもの暮らしの中にも、季節を知らせる音が隠れています。


#子育て
#夏の終わり
#季節を感じる


 

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