2026年9月1日火曜日

第32話 子育て 秋の気配『新しい朝』


 九月最初の朝。

昨日までと同じ時間に起き、同じように朝食を作り、水筒を用意する。カレンダーを一枚めくったところで、子どもが言った。

「今日から九月だね」

「そうだね」

たったそれだけなのに、新しい月が始まったことが少し嬉しかった。

 玄関を出ると、日差しにはまだ夏の強さが残っている。セミも鳴いているし、歩けばすぐに汗がにじむ。

それでも、角を曲がったところで吹いてきた風は、昨日よりほんの少し軽く感じられた。

「秋の風かな」

私が言うと、子どもは両手を広げて風を受け止める。

「ほんとだ。ちょっと涼しい!」

二人で顔を見合わせて笑った。

 八月の初めには、朝の支度を終えて家を出るだけで精いっぱいだった。

今だって忙しいことに変わりはない。

でも、道端の花や空の色、風の匂いに気づく余裕が、少しだけできた気がする。

 昨日、九月には何があるのだろうと話したばかりなのに、もう一つ見つけた。

新しい季節は、大きな音を立ててやってくるわけではない。

いつもの朝に混じった、小さな違いから始まる。

 「行こうか」

子どもの手を握る。

九月最初の幸せは、いつもの道に吹いた新しい風だった。

今日のこころの花🌼

今日は昨日と違うものを一つ探してみましょう。小さな変化に気づくことが、新しい楽しみの始まりになります。


#子育て
#秋の気配
#小さな幸せ 

第32話 子育て 秋の気配『新しい朝』

 九月最初の朝。 昨日までと同じ時間に起き、同じように朝食を作り、水筒を用意する。カレンダーを一枚めくったところで、子どもが言った。 「今日から九月だね」 「そうだね」 たったそれだけなのに、新しい月が始まったことが少し嬉しかった。  玄関を出ると、日差しにはまだ夏の強さが残って...