九月最初の朝。
昨日までと同じ時間に起き、同じように朝食を作り、水筒を用意する。カレンダーを一枚めくったところで、子どもが言った。
「今日から九月だね」
「そうだね」
たったそれだけなのに、新しい月が始まったことが少し嬉しかった。
玄関を出ると、日差しにはまだ夏の強さが残っている。セミも鳴いているし、歩けばすぐに汗がにじむ。
それでも、角を曲がったところで吹いてきた風は、昨日よりほんの少し軽く感じられた。
「秋の風かな」
私が言うと、子どもは両手を広げて風を受け止める。
「ほんとだ。ちょっと涼しい!」
二人で顔を見合わせて笑った。
八月の初めには、朝の支度を終えて家を出るだけで精いっぱいだった。
今だって忙しいことに変わりはない。
でも、道端の花や空の色、風の匂いに気づく余裕が、少しだけできた気がする。
昨日、九月には何があるのだろうと話したばかりなのに、もう一つ見つけた。
新しい季節は、大きな音を立ててやってくるわけではない。
いつもの朝に混じった、小さな違いから始まる。
「行こうか」
子どもの手を握る。
九月最初の幸せは、いつもの道に吹いた新しい風だった。
今日のこころの花🌼
今日は昨日と違うものを一つ探してみましょう。小さな変化に気づくことが、新しい楽しみの始まりになります。
#子育て
#秋の気配
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