2026年9月2日水曜日

第33話 子育て 朝時間『できたの一言』


 昨日、九月最初の風を見つけた朝。今朝も玄関を開けると、まだ夏の名残を抱えた空気が家の中へ入ってきた。

出かける準備をしていると、子どもが靴の前でしゃがみ込んだ。

いつもなら「やって」と差し出してくる靴ひもを、今日は自分で結ぼうとしている。

一度目は、ほどけた。

二度目も、うまく輪にならない。

時計を見ると、そろそろ出たい時間だった。

 「お母さんがやろうか?」

そう言いかけて、昨日までのことを思い出す。

待つこと。任せること。少し後ろから見守ること。

私は言葉を飲み込み、隣にしゃがんだ。

 三度目。

小さな指がゆっくり動いて、少しいびつな蝶々結びができた。

「できた!」

顔を上げた子どもの表情は、朝の光より明るかった。

「ほんとだ。できたね」

 玄関を出ると、道端に小さな落ち葉が転がっていた。子どもは結んだ靴ひもを何度も見ながら、いつもより少し胸を張って歩いている。

ほんの数分待っただけ。

でも、その数分がなければ、私はこの「できた」に出会えなかった。

 子どもが一つできるようになるたび、私も一つ、待てるようになる。

親子の成長は、きっとこうして並んで歩いていくのだ。

今日のこころの花🌼

今日は誰かの挑戦を少しだけ待ってみましょう。「できた」に出会える時間を、大切にしてみてください。


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#子どもの成長
#見守る子育て 

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