2026年10月6日火曜日

第67話 子育て 秋の朝『急がない歩幅』


 火曜日の朝。家を出る時間が、いつもより少し遅くなった。

「急ごう」

そう言って歩き出したのに、子どもの足取りが妙にゆっくりしている。

「どうしたの?」

「葉っぱ、踏んでるの」

 見ると、道の端に乾いた落ち葉が何枚か落ちていた。子どもは一枚ずつ狙って、ぱりっ、かさっ、と音を鳴らしている。

時 計が気になった。でも昨日、冷蔵庫の横に貼った絵と、「お母さんといたよ」という言葉を思い出した。

私は歩幅を少し小さくした。

ぱりっ。

今度は私の靴の下で音がした。

「あ、お母さんもやった!」

 二人で次の落ち葉を探しながら歩く。ほんの数十秒の寄り道だった。

「秋って音もするんだね」

子どもの言葉に、私はうなずいた。

 季節は見るもの、香るものだけではなかったらしい。

忙しい朝だからこそ、少しだけ歩幅を合わせる。それだけで、いつもの道に知らなかった楽しさが見つかる。

今日の幸せは、急ぐ足を少しゆるめたから聞こえた、秋の小さな音だった。

今日のこころの花🌼

 今日は少しだけ歩く速さをゆるめて、足元の音や風の音に耳を澄ませてみましょう。


#子育て
#秋の朝
#季節を感じる 

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