2026年9月24日木曜日

第55話 子育て 秋の夕方『温かいおかえり』


 木曜日の夕方。玄関を開けると、子どもが両手をこすりながら言った。

「今日、ちょっと寒かったね」

昨日、長袖を選んだばかりなのに、夕方の風は思った以上にひんやりしていた。

「温かいもの、飲もうか」

 夕食の支度をする前に、お湯を沸かした。子どもには温めたミルク、私は温かいお茶。

二つのカップをテーブルに並べると、白い湯気がゆらゆら上がった。

「雲みたい」

子どもが湯気に顔を近づける。

「熱いから気をつけてね」

両手でカップを包み、「あったかい」と笑う顔を見て、私も一口飲んだ。

 帰ったらすぐ夕食。洗濯物を取り込んで、お風呂の準備。

いつもなら、そんな順番ばかり考えていた。

 でも今日は、その前に十分だけ寄り道。

外で冷えた体が温まるにつれて、一日の慌ただしさまでゆっくりほどけていく。

夏には冷たい麦茶を一緒に飲んだ。同じ食卓で、今は温かい飲み物を飲んでいる。

 季節が変わると、幸せの温度も変わるらしい。

今日の幸せは、「ただいま」のあとに二人で囲んだ、小さな湯気だった。

今日のこころの花🌼

 帰宅したら温かい飲み物でひと休み。両手でカップを包み、心と体がほどける時間を味わいましょう。


#子育て
#秋の暮らし
#ほっとする時間 

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