2026年11月7日土曜日

第99話 子育て 立冬『秋をしまう日』


 土曜日の朝。窓を開けると、思わず肩をすくめるほど冷たい風が入ってきた。

今日は立冬。暦の上では、冬の始まりだという。

「お母さん、もう冬なの?」

子どもが不思議そうに尋ねた。

「そうみたい。でも、まだ秋の葉っぱがいっぱいあるね」

 リビングには、二人で作った「秋の美術館」が飾られている。

昨日、少し色の変わった葉っぱを写真に残したばかりだった。

「ねえ、冬になったら、この美術館はどうするの?」

「どうしようか。そろそろ片づける?」

すると子どもは、少し考えてから言った。

「じゃあ、秋のお引っ越しをしよう!」

 二人で小さな箱を用意した。

拾ったどんぐり、散歩で見つけたきれいな小石、そして、乾いた葉っぱ。

一つずつ箱に入れながら、子どもが思い出を話してくれる。

「このどんぐり、ベンチの近くで拾ったんだよね!」

「そうだったね。あの日は風が気持ちよかったね」

箱がいっぱいになるころには、二人ともすっかり笑顔になっていた。

 「お母さん、秋って楽しかったね」

「うん。でも、冬もきっと楽しいよ」

子どもは箱のふたをそっと閉じた。

「じゃあ、次は冬の宝物を集めよう!」

季節が変わることを、少し寂しく感じていた私。

 でも、終わることばかり考えなくてもいいのかもしれない。

今日の幸せは、秋の思い出を大切にしまいながら、新しい季節を楽しみにできたことだった。

今日のこころの花🌼

 今日は過ぎゆく季節の楽しかった出来事を一つ思い出しましょう。そして、新しい季節の楽しみを探してみてください。


#子育て
#立冬
#季節の小さな幸せ 

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