夕食を終えると、子どもが小さな袋を抱えて走ってきた。
「今日は花火する?」
袋の中には、線香花火が数本だけ入っていた。
庭へ出ると、昼間の暑さが少し和らぎ、夜風が気持ちよく吹いている。
一本目の線香花火に火をつける。
小さな火の玉がゆっくりと大きくなり、金色の火花が静かにこぼれ始めた。
子どもは息を止めるように見つめている。
「落ちないで…。」
その小さな声に、私も思わず笑った。
やがて火の玉は、小さく揺れて、ふっと消えた。
「終わっちゃった。」
少し寂しそうな子どもの顔を見ながら、私は言う。
「だからきれいなんだね。」
長く続くものも素敵だけれど、短い時間だからこそ大切に感じるものがある。
夏休みも、子どもの幼い時間も、今日という一日も。
どれも、いつまでも同じではない。
だからこそ、今この瞬間を味わいたい。
二本目の線香花火に火をつける。
夜の静けさの中で、小さな光がまた優しく咲き始めた。
子どもは笑顔で言った。
「また来年も、一緒にやろうね。」
私は「もちろん」と答えながら、その約束を心の中にそっとしまった。
今日もまた、心に小さな花が咲いた。
今日のこころの花:
今日は目の前の人との時間を、ほんの5分でも大切に過ごしてみましょう。そのひとときが、心に残る思い出になります。
#親子で見つける夏のしあわせ
#線香花火
#育児とウェルネス

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