昨日、桃を「半分あげる」と差し出してくれた小さな手。その優しさを思い出すたび、今日も何度か頬がゆるんだ。
水曜日の夜。夕食を片づけ、洗濯物をたたみ、ようやく一日が終わると思ったころ、子どもが絵本を抱えてやってきた。
「これ、読んで」
時計を見る。まだ片づけたいものもあるし、明日の準備も残っている。
「今日は一冊だけね」
隣に座ると、子どもは嬉しそうに肩を寄せてきた。
読み始めれば、ほんの五分ほど。けれどページをめくるたび、「この子、面白いね」「このお月さま大きいね」と話が横道にそれて、なかなか先へ進まない。
以前なら少し焦っていたかもしれない。
でも今日は、その寄り道も悪くないと思えた。
読み終えると、子どもは「もう一回」と言いかけて、大きなあくびをした。
布団をかけると、間もなく聞こえてきた小さな寝息。
窓の外では虫の声が混じり始め、昼間とは違う夏の夜が静かに流れている。
やることは、まだ少し残っている。
それでも、この五分を急がなくてよかった。
いつか「読んで」と言われなくなる日が来る。
そう思うと、眠る前の何でもない五分が、今日いちばん大切な時間に思えた。
今日のこころの花🌼
今日は大切な人のために五分だけ手を止めてみましょう。急がない時間が、心に残る思い出になります。
#子育て
#読み聞かせ
#親子時間

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