2026年8月20日木曜日

第20話 子育て 朝時間『小さな応援団』


 昨夜、絵本を読みながら肩を寄せてきた子どものぬくもりが、朝になってもどこか心に残っていた。

木曜日。目覚ましを止めた瞬間から、朝はいつもの速さで動き出す。朝食を作り、水筒を用意し、洗濯物を干す。ところが、こんな日に限ってシャツのボタンがうまく留まらない。

「もう、時間ないのに」

思わずこぼした声を、子どもは聞いていたらしい。

「お母さん、がんばれ!」

振り向くと、小さな両手を握って応援している。

 あまりに真剣な顔がおかしくて、張りつめていた気持ちがふっとほどけた。

「ありがとう。お母さん、がんばる」

ボタンを留め直すと、今度はうまくいった。

 玄関を出れば、まだ夏の日差しは強い。けれど朝顔の花は少しずつ減り、葉の間には丸く膨らんだ種が増えている。

いつも私が子どもを励ましているつもりだった。

転んだときも、できないことに挑戦するときも、「大丈夫」「がんばれ」と声をかけてきた。

 でも、励ましてもらっていたのは私も同じだったのだ。

「今日もがんばろうね」

そう言うと、子どもは元気よくうなずいた。

小さな応援団と歩くいつもの朝道が、今日は少しだけ頼もしく感じられた。

今日のこころの花🌼

今日は身近な人に「がんばってるね」と伝えてみましょう。小さな一言が、誰かの心をそっと軽くします。


#子育て
#親子時間
#小さな幸せ 

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第68話 子育て 秋の夕方『手のひらの風』

 水曜日の帰り道。昨日より少し冷たい風が吹いて、子どもが両手を広げた。 「お母さん、風つかまえる!」 走り出すのかと思ったら、その場でじっとしている。 「つかまった?」 「うーん……逃げちゃう」  私も真似をして手のひらを広げた。風は指の間をすり抜け、髪を揺らして通り過ぎていく。...