2026年8月29日土曜日

第29話 子育て 夏の思い出『最後の水遊び』


 昨日、草むらから聞こえた虫の声に、秋の気配を見つけた。それでも土曜日の空には、まだ夏らしい青さが広がっていた。

 「水遊びしたい!」

朝から子どもにせがまれ、ベランダに小さなビニールプールを出した。

水を張ると、子どもは待ちきれない様子で足を入れる。

「つめたーい!」

 勢いよく上がった水しぶきが私の服まで飛んできた。

「ちょっと、濡れちゃったじゃない」

そう言いながら、気づけば私も手ですくった水をかけ返していた。

子どもが笑う。私も笑う。

洗濯物が増えるとか、床が濡れるとか、そんなことは今日はどうでもよくなった。

 しばらく遊んだあと、二人で冷たい麦茶を飲む。風に揺れる朝顔には、もう花はほとんどなく、茶色くなった種が夏の日差しを受けていた。

「また来年もやろうね」

子どもが言う。

その「来年」という言葉に、少しだけ胸がきゅっとした。

 来年の夏、この子は今より大きくなっている。

同じプールで遊ぶだろうか。まだ水をかけて笑ってくれるだろうか。

だからこそ、今日をちゃんと楽しもう。

 夏は終わっていく。でも、楽しかった時間まで消えるわけではない。

濡れた服を干しながら、今日の笑い声も心の中にそっと干しておきたいと思った。

今日のこころの花🌼

今日は「また今度」にせず、今できる小さな楽しみを一つ味わってみましょう。今日の時間は、今日だけの宝物です。


#子育て
#夏の思い出
#親子時間 

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