2026年9月4日金曜日

第35話 子育て 親子時間『話したくなるまで』


 昨日の帰り道、子どもは「うまくできなかったことがあった」とだけ話した。何があったのか気になったけれど、それ以上は聞かなかった。

 金曜日の夕食後。私が洗った食器を拭いていると、隣で子どもがぽつりと言った。

「昨日ね、みんなの前で間違えたの」

手を止めそうになったけれど、そのまま皿を拭きながら「うん」と答えた。

「ちょっと笑われた」

胸がきゅっとした。すぐに「誰に?」「先生は?」と聞きたくなる。でも、今はこの子が自分から話している。

「恥ずかしかったんだね」

「うん。でも今日、もう一回やったらできた」

 見ると、少し照れた顔で笑っていた。

「そっか。もう一回やったんだ」

それだけ伝えると、子どもは嬉しそうにうなずいた。

 窓の外からは、秋の虫の声が聞こえている。

親だから、何でも知っていたい。困っていたら、すぐ助けたい。

でも、話したくなるまで待つことも、この子を信じることなのかもしれない。

昨日、無理に聞き出さなくてよかった。

 子どもには、自分の気持ちを自分の言葉にする時間が必要なのだ。

今日の幸せは、「できた」ことよりも、話してくれたこと。

「聞いてくれてありがとう」

そう言うと、子どもは少し不思議そうに、そして嬉しそうに笑った。

今日のこころの花🌼

今日は誰かの話を答えや助言で急がず、最後まで聞いてみましょう。待つことも、相手を大切にする時間です。


#子育て
#親子コミュニケーション
#子どもの気持ち 

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