2026年9月5日土曜日

第36話 子育て 秋散歩『どんぐり一号』


 昨日、子どもが自分から失敗したことを話してくれた。その小さな勇気が嬉しくて、土曜日の朝は少し穏やかな気持ちで始まった。

まだ日差しは夏のように強い。それでも朝の風は軽く、今日は久しぶりに、いつもの公園まで歩いてみることにした。

 木陰に入ったところで、子どもが突然しゃがみ込む。

「あった!」

小さな手のひらに乗っていたのは、まだ緑色の残るどんぐりだった。

「秋、見つけたね」

 九月になったら何があるのだろう、と話したのは数日前のこと。子どもは宝物を見つけたように、何度もどんぐりを眺めている。

「これ、持って帰っていい?」

「もちろん」

ポケットへ大切そうにしまう姿を見ながら、ふと思った。

 大人になると、季節はカレンダーで知ることが多くなる。

でも子どもは、風に触れ、虫の声を聞き、落ちている木の実を拾って季節を見つけていく。

帰り道、小さな花屋の前には、夏とは違う色の花が少しずつ増えていた。

 家に着くと、子どもはどんぐりを机の上に置き、「秋、一個目」と笑った。

その言葉がなんだか嬉しい。

季節は過ぎていくものではなく、一つずつ見つけていくものなのかもしれない。

わが家の秋は、手のひらに乗る小さなどんぐりから始まった。

今日のこころの花🌼

今日は季節の変化を一つ探してみましょう。風や空、草花の小さな違いが、暮らしを少し豊かにしてくれます。


#子育て
#秋の散歩
#季節を感じる 

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