昨日拾った「どんぐり一号」は、朝になっても食卓の隅にちょこんと置かれていた。
日曜日。子どもは朝食を終えるなり、空き箱や折り紙を持ってきた。
「どんぐりのおうち作る」
箱の中に緑の折り紙を敷き、色鉛筆で木や雲を描いていく。私は隣で洗濯物をたたみながら、その様子を眺めていた。
「お母さんもやって」
差し出された茶色の色鉛筆。
やることはまだ残っている。でも、昨日までの私なら「あとでね」と答えていたかもしれない。
「じゃあ、木を一本だけ」
隣に座り、大きな木を描いた。
子どもはそこへ小さな赤い実を足し、「秋の木!」と笑う。
窓から入る風が、夏より少し涼しくなっていた。遠くから聞こえるセミの声に、秋の虫の音が重なっている。
完成した箱の真ん中に、どんぐり一号を置いた。
たった一つの木の実なのに、立派な宝物に見える。
子どもにとって大切なのは、物の値段でも大きさでもないのだろう。
一緒に拾ったこと。一緒に作ったこと。そして「見て」と言ったとき、誰かが隣にいてくれたこと。
今日の幸せは、どんぐり一つから広がった、何でもない日曜日の時間だった。
今日のこころの花🌼
今日は誰かの「見て」に少しだけ手を止めて応えてみましょう。一緒に見る時間が、小さな思い出を育てます。
#子育て
#親子工作
#秋の暮らし

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