2026年9月6日日曜日

第37話 子育て 秋の休日『どんぐりの居場所』


 昨日拾った「どんぐり一号」は、朝になっても食卓の隅にちょこんと置かれていた。

日曜日。子どもは朝食を終えるなり、空き箱や折り紙を持ってきた。

「どんぐりのおうち作る」

箱の中に緑の折り紙を敷き、色鉛筆で木や雲を描いていく。私は隣で洗濯物をたたみながら、その様子を眺めていた。

「お母さんもやって」

差し出された茶色の色鉛筆。

 やることはまだ残っている。でも、昨日までの私なら「あとでね」と答えていたかもしれない。

「じゃあ、木を一本だけ」

隣に座り、大きな木を描いた。

子どもはそこへ小さな赤い実を足し、「秋の木!」と笑う。

 窓から入る風が、夏より少し涼しくなっていた。遠くから聞こえるセミの声に、秋の虫の音が重なっている。

完成した箱の真ん中に、どんぐり一号を置いた。

たった一つの木の実なのに、立派な宝物に見える。

子どもにとって大切なのは、物の値段でも大きさでもないのだろう。

 一緒に拾ったこと。一緒に作ったこと。そして「見て」と言ったとき、誰かが隣にいてくれたこと。

今日の幸せは、どんぐり一つから広がった、何でもない日曜日の時間だった。

今日のこころの花🌼

今日は誰かの「見て」に少しだけ手を止めて応えてみましょう。一緒に見る時間が、小さな思い出を育てます。


#子育て
#親子工作
#秋の暮らし 

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