2026年9月8日火曜日

第39話 子育て 朝時間『急がない一分』


 火曜日の朝は、いつもより少し遅れていた。

「早く靴履いて」「水筒持った?」

言葉まで走り出しそうになる。

 玄関を出て数分歩いたところで、子どもが突然立ち止まった。

「お母さん、見て」

道の端に、朝露をまとった小さな蜘蛛の巣があった。細い糸に光が当たり、きらきらと揺れている。

「きれいだね」

そう言いながら時計を見る。やっぱり時間はぎりぎりだ。

「行こう」と言いかけたとき、昨日、画用紙に描かれた「お母さんの場所」を思い出した。

 私はしゃがんで、子どもと同じ高さから蜘蛛の巣を見た。

「宝石みたい」

「ほんとだね」

ほんの一分だった。

再び歩き始めると、子どもは満足そうに私の手を握った。

 急ぐ朝がなくなるわけではない。毎回立ち止まれるわけでもない。

それでも、立ち止まれる一分があることを、私は前より知っている。

時間に追われていると、一分は惜しく感じる。

でも、その一分で見つけられるものもある。

今日の幸せは、予定表にはなかった、朝露の小さな宝石だった。

今日のこころの花🌼

忙しいときこそ一分だけ周りを見てみましょう。予定になかった小さな幸せが見つかるかもしれません。


#子育て
#忙しい朝
#小さな幸せ 

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