火曜日の朝は、いつもより少し遅れていた。
「早く靴履いて」「水筒持った?」
言葉まで走り出しそうになる。
玄関を出て数分歩いたところで、子どもが突然立ち止まった。
「お母さん、見て」
道の端に、朝露をまとった小さな蜘蛛の巣があった。細い糸に光が当たり、きらきらと揺れている。
「きれいだね」
そう言いながら時計を見る。やっぱり時間はぎりぎりだ。
「行こう」と言いかけたとき、昨日、画用紙に描かれた「お母さんの場所」を思い出した。
私はしゃがんで、子どもと同じ高さから蜘蛛の巣を見た。
「宝石みたい」
「ほんとだね」
ほんの一分だった。
再び歩き始めると、子どもは満足そうに私の手を握った。
急ぐ朝がなくなるわけではない。毎回立ち止まれるわけでもない。
それでも、立ち止まれる一分があることを、私は前より知っている。
時間に追われていると、一分は惜しく感じる。
でも、その一分で見つけられるものもある。
今日の幸せは、予定表にはなかった、朝露の小さな宝石だった。
今日のこころの花🌼
忙しいときこそ一分だけ周りを見てみましょう。予定になかった小さな幸せが見つかるかもしれません。
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