2026年10月27日火曜日

第88話 子育て 秋の朝『待ってくれた時間』


 火曜日の朝。昨日より少し冷たい風が、開けた窓から入り込んできた。

朝食を終え、出かける支度をしていると、子どもが玄関から呼んだ。

「お母さん、まだ?」

「もう少し待ってね!」

そう答えながら、私は忘れ物がないか確かめていた。

 昨日は窓際のクッションで、一分だけ心を休めた。けれど、今日はそんな余裕もなさそうだった。

ようやく玄関へ行くと、子どもは靴を履いて、ちょこんと座っていた。

「ごめんね、待たせちゃった」

すると子どもは、にっこり笑った。

「大丈夫。待ってる間、いいもの見つけたよ」

指さした先には、玄関の小さな窓。

 朝の光が差し込み、壁に葉っぱの影を映していた。

風が吹くたび、影がゆらゆらと揺れる。

「葉っぱが踊ってるみたいでしょ?」

私は思わず、その場にしゃがみ込んだ。

 待つ時間は、何もできない時間だと思っていた。でも、この子は、その中にも楽しみを見つけていた。

「ほんとだ。きれいだね」

二人で少しだけ眺めてから、家を出た。

今日の幸せは、急いでいた私に子どもが教えてくれた、待つ時間の中にもある小さな発見だった。

今日のこころの花🌼

 今日は待ち時間にスマホを置いて、周りの景色を眺めてみましょう。思いがけない小さな発見を楽しんで。


#子育て
#忙しい朝
#小さな幸せ 

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