水曜日の夕方。子どもと家に帰るころには、空がすっかり薄紫色に染まっていた。
「お母さん、暗くなるの早くなったね」
「そうだね。秋も深まってきたね」
昨日の朝、玄関の壁に映っていた葉っぱの影を思い出す。あの光も、夕方にはもう見られない。
家に着いて鍵を開けると、部屋の中はひんやりとしていた。
「ただいま!」
子どもの元気な声が、静かな部屋に響いた。
私は照明をつけ、買い物袋を台所に置いた。
すると子どもが、リビングから呼んだ。
「お母さん、見て!」
振り返ると、窓の外は青く暮れかけていて、部屋の灯りがガラスに映っていた。
「おうちの中が、もう一つあるみたい」
子どもは窓に映る自分に手を振った。
私も隣に立つと、ガラスの中の二人が並んで笑っていた。
外が暗くなるのは、少し寂しいと思っていた。でも、暗くなるからこそ、家の灯りが温かく感じられる。
夕食の支度を始める前に、二人で少しだけ窓の前に立っていた。
「おうち、あったかいね」
「うん、帰ってきたね」
今日の幸せは、秋の夕暮れに見つけた、二人を迎えてくれる小さな灯りだった。
今日のこころの花🌼
夕方、家や街の灯りを一つ眺めてみましょう。何気ない景色の中にある、安心できる温かさを感じて。
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