木曜日の朝、玄関を出て少し歩いたところで、子どもが突然立ち止まった。
「お母さん、なんかいいにおいする」
私も足を止めて、息を吸い込んでみる。
どこか甘くて、やさしい香り。
「あ、金木犀かな」
辺りを見回すと、少し先の家の垣根に、小さな橙色の花が咲いていた。
「こんな小さいのに、すごいね」
子どもが鼻を近づけようとして、背伸びをする。
昨日、九月の宝物を二人で数えたばかりだった。どんぐりや夕焼けのように、目で見つけるものばかりだと思っていたけれど、十月最初の宝物は、先に鼻が見つけてくれた。
「このにおい、持って帰れる?」
「難しいかな」
「じゃあ、いっぱい嗅いどこう」
二人で笑った。
季節はカレンダーをめくったから変わるのではなく、風や光や香りの中から、少しずつ知らせに来るのかもしれない。
歩き出してもしばらく、甘い香りが後ろからついてきた。
十月最初の日。
今日の幸せは、目には見えないのに確かにそこにあった、秋の香りだった。
今日のこころの花🌼
今日は外に出たら、ゆっくり一度深呼吸。風や草花の香りから、今だけの季節を感じてみましょう。
#子育て
#金木犀
#季節を感じる

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